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タイ|企業規模に合わせた会計ソフト選択ガイド!人気製品を詳細解説

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タイで事業を展開する企業向けに、会計ソフトの選び方と主要製品の特徴を詳しく解説します。小規模オフィスから中堅企業まで、規模に応じたおすすめソフトを紹介し、業務効率化に役立つ情報をお届けします。

タイにおける会計ソフトの重要性

タイで事業を展開する企業にとって、適切な会計ソフトの選択は非常に重要です。効率的な経理業務の実現や税務申告の正確性向上など、様々な面でメリットをもたらします。

効率的な経理業務の実現

会計ソフトを導入することで、日々の経理業務を大幅に効率化できます。手作業での記帳や計算ミスのリスクを減らし、データの入力から財務諸表の作成まで、一連の作業をスムーズに行うことが可能になります。これにより、経理担当者の作業負荷を軽減し、より戦略的な業務に時間を割くことができるようになります。

税務申告の正確性向上

タイの税法に準拠した会計ソフトを使用することで、税務申告の正確性が向上します。自動計算機能や税務報告書の作成機能を活用することで、人為的ミスを減らし、コンプライアンスリスクを軽減できます。特に、タイ語対応の会計ソフトを選択することで、現地の税務当局とのコミュニケーションもスムーズになります。

小規模オフィス向け会計ソフト

小規模オフィスにとって、使いやすさと基本機能の充実した会計ソフトが適しています。以下に、タイで人気の高い小規模オフィス向け会計ソフトを紹介します。

Express – タイ国内で最も有名な会計ソフト

Express は、タイで最も知名度の高い会計ソフトの一つです。以下の特徴があります:

  • タイの大学で教材として使用されているため、多くの経理担当者が使い慣れている
  • 日本の勘定奉行や弥生会計に相当する使いやすさ
  • 日系企業がタイ現地法人設立時に採用するケースが多い
  • 基本的な会計機能が充実している

ただし、生産管理や販売管理などの外部システムとの連携ができないため、拡張性には制限があります。

CD Organizer – Expressの強力な競合製品

CD Organizer は、Express と並んでタイ国内で広く使われている会計ソフトです。主な特徴は以下の通りです:

  • タイ国内での採用事例が多く、多くの経理担当者が使用経験を持っている
  • 小規模オフィスの会計業務に必要な機能を網羅
  • ユーザーフレンドリーなインターフェース

Express と同様に、外部システムとの連携機能はパッケージ標準では提供されていません。

Quickbooks – グローバル展開に適した選択肢

Quickbooks は、アメリカで最も有名な小規模オフィス向け会計ソフトの一つです。タイでも会計事務所などで広く使用されており、以下のような特徴があります:

  • エクセルなどへのデータ搬出が容易
  • グローバル展開している企業に適している
  • 英語インターフェースに慣れているスタッフがいる場合に使いやすい

ただし、アメリカのソフトウェアであるため、タイの税務面での対応に不安がある場合があります。税務署向けの書類作成は、エクセルで別途計算し、税務署のウェブサイトで直接申告するという運用方法を取ることで対応可能です。

Multibook – クラウド型で本社からも使用可能

MultibookはMultibook社が提供している小規模~中規模企業向けのクラウド型会計ソフトです。多言語対応でネット環境があればどこからでも使用および閲覧が可能です。

タイの税務要件に対応しており、ベトナムやフィリピン等の国も対応しています。日本本社から各海外拠点の管理機能にも力を入れています。

中堅企業向け会計ソフト

事業規模が拡大し、より高度な機能や拡張性が必要になった場合は、中堅企業向けの会計ソフトやERPパッケージの導入を検討する必要があります。以下に、タイで人気の高い中堅企業向け会計ソフトを紹介します。

SAP Business One – グローバル統一運用に最適

SAP Business Oneは、世界的に有名なERPベンダーSAP社が提供する中堅・大手企業向けのERPパッケージです。以下のような特徴があります:

  • グローバル展開している企業に最適
  • 多数の言語表示に対応(日本語対応あり)
  • SAPブランドの信頼性

グローバル統一運用を目指す企業にとっては強力な選択肢となります。

THOMAS GLOBE – 段階的導入が可能なERPパッケージ

THOMAS GLOBEは、タイおよび周辺国で展開されているセミオーダーメイドのERPパッケージです。以下の特徴があります:

  • スモールオフィスから中堅・大手まで、段階的な導入が可能
  • 柔軟なカスタマイズ対応
  • 多言語対応
  • タイ国内で数百社の導入実績

企業の成長に合わせて段階的に機能を拡張できるため、長期的な使用を検討している企業に適しています。

会計ソフト選びのポイント

タイで適切な会計ソフトを選択する際は、以下のポイントを考慮することが重要です。

企業規模と成長性の考慮

現在の企業規模だけでなく、将来の成長性も考慮して会計ソフトを選択することが大切です。小規模で始めても、事業拡大に伴い、より高度な機能が必要になる可能性があります。段階的に機能を拡張できるソフトや、上位版へのアップグレードが容易なソフトを選ぶことで、長期的な使用が可能になります。

多言語対応の必要性

タイで事業を展開する日系企業の場合、タイ語、日本語、英語の3ヶ国語対応が理想的です。タイ人スタッフと日本人マネージャーが共同で利用する場合、それぞれの言語で操作できることが業務効率の向上につながります。また、グローバル展開を視野に入れている場合は、さらに多くの言語に対応しているソフトを選択することも検討しましょう。

外部システムとの連携性

会計ソフトと他のビジネスシステム(例:販売管理、在庫管理、人事管理システムなど)との連携が必要かどうかを検討します。データの二重入力を避け、業務の効率化を図るためには、外部システムとのスムーズな連携が重要です。特に中堅企業以上の規模では、ERPパッケージの導入を検討し、統合的なシステム運用を目指すことが効果的です。

タイ特有の会計・税務要件への対応

タイで会計ソフトを選択する際は、現地の法令や慣習に適合したものを選ぶことが重要です。

タイ語対応の重要性

タイの税務当局とのコミュニケーションや法定帳簿の作成には、タイ語での対応が必須です。タイ語に完全対応した会計ソフトを選択することで、現地スタッフの作業効率が向上し、税務申告などの手続きもスムーズに行うことができます。

タイの税法に準拠した機能

タイ特有の税制や会計基準に対応した機能を持つソフトを選択することが重要です。例えば、VAT(付加価値税)の計算や申告書の作成、源泉徴収税の管理、法定帳簿の作成などがタイの法令に準拠して行えるかどうかを確認しましょう。また、タイ国内の税制改正にも迅速に対応できるベンダーを選ぶことで、常に最新の法令に準拠した会計処理を行うことができます。

まとめ

タイで事業を展開する企業にとって、適切な会計ソフトの選択は業務効率化とコンプライアンス遵守の両面で重要です。企業規模や成長性、多言語対応の必要性、外部システムとの連携性、そしてタイ特有の会計・税務要件への対応を考慮し、最適な製品を選びましょう。小規模オフィスから中堅企業まで、様々なニーズに対応した会計ソフトが提供されています。慎重に比較検討し、自社に最適なソリューションを導入することで、経理業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

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